沈黙が気まずいとき、対話はどうすればいい?-みんなの悩み01|対話の教室 vol.6

「対話の教室」は、ウェルビーイングを育むための“対話”をやさしく、深くひもといていく連載コラムです。長年「対話」を専門に研究・実践してきた中村一浩(カズ)さん(武蔵野大学ウェルビーイング学部 准教授)に、対話の背景・考え方・技法をわかりやすく綴っていただいています。

これまでの記事では、対話の基本や、会話との違いを手がかりに「対話とは何か」を見つめてきました。今回は、読者の方から届いた「沈黙が気まずい」というリアルな悩みに、カズさんが実践してきた工夫で答えます。自分のペースを守りながら、場の居心地も整えていく——そのヒントを一緒に探ってみましょう。

森の中で腰掛けるカズさん

​​みなさん、こんばんは。カズです。

今日は久しぶりに夜遅くに原稿を書いています。 

原稿を書くのは大抵、朝早くか、夜遅く。

気持ちがリフレッシュして、
元気な午前中に一気に書きあげるか、

みんなが寝静まる夜に、
自分と向き合いながら静かに書くか。

みなさんはどちらが好きですか。

読者からの質問:「沈黙が気まずい…どうしたら?」

沈黙する3人

さて、今日は読者の方からの質問が来ています。


対話において、相手の発言を理解して受け入れ、自分の意見を考えるのに時間がかかってしまい、沈黙が生まれてしまいます。それが悪いことだとは思っていないけど、なんとなくリズムが乱れている感覚や気まずさがあり居心地がわるく感じます。どうやって改善したら良いか教えて欲しいです。


ご質問ありがとうございます。

これは、対話をするときによくある状況ですね。

いくつか、自分が実践してきた対処法をお伝えしますね。

まず大前提:自分のペースを「悪いこと」にしない

丸とバツを持っている女性

まず大前提として、

自分のペースで話すことはとても大事なこと。

あなたがあなたを大切に扱っている証拠でもあるのだから、それを良くないこと、とは思わないでほしいです。 

そしてもうひとつ、

そのことで相手に迷惑をかけているとか、

申し訳ないといった謝罪の気持ちを勝手に持たないこと。

相手があなたにそう言ってきたのなら仕方ないけど、

大抵の場合、自分が勝手に思い込んでいるだけだったりします。

 

沈黙を整えるための対処法

そのふたつを手に取ってもらったうえで、対処法の1つ目。

① 先に「自分はゆっくり」を伝えておく

坐禅を組む女性

先に自分がそうであることを伝えておく。

「自分は話をかみ砕くのに少し時間がかかるので、ペースがゆっくりになります」

「自分の考えをじっくり考えたい派なので、少しスローに関わらせてください」

こうやって言っておけば、周囲も安心します。

 

先ほど書いた通り、対話の場で起こる葛藤の多くは

自分が勝手に思い込んでいるだけ、というのが有ります。

相手が迷惑なのでは、困っているのでは、と思い込んでしまって一人で勝手に苦しくなってしまう。

 

なので、先に相手に対して、そんな自分の特性を伝えておいて、自分への理解を深めてもらうこと、

また、ゆっくり過ごすことへの許可をもらっておくことです。

そうすることで、変な焦りがなくなります。

 

② 自分の思考プロセスを「見える化」する

分析する男女

続いての対処法は、自分のプロセスを視える化する、です。

話を聞いたあとに、頭に浮かんだことをノートに書きだしてみたり、付箋に書いてみたりします。

 

何も答えずにただ黙って過ごすと、相手はやっぱり落ち着きづらい。

けれど、あなたの言葉にしたり考えたりするプロセスが視えると、その人のなかで思考が進んでいるんだなと分かって、相手は安心できます。

なんなら、その書いていることをきっかけにして、次の話題が生まれたりもします。

 

友人のひとりに、いつも付箋と太ペンを持ち歩く人が居て、対話が始まるとその付箋に、とにかくキーワードを書いて貼りだす、というのを繰り返します。

そうなると、その人自身も話すのですが、周りがそのキーワードに触発され、どんどん言葉が出てくる場になります。

 

派生形として、感じたこと・考えたことを独り言のようにぶつぶつ呟く、というのもあります。

これは付箋とペンの代わりに、言葉で頭にあるものを場に出す方法ですね。

 

③ いっそ「とことん深く」考えてしまう

深く考える女性

3つ目の対処法は、逆に、もっともっと深く思考する、です。

相手を気にしながら考えるのではなく、思い切って、自分の世界に埋没してしまうのです。

 

コツは、どうせやるならトコトンやること。

手を組んでうつむいたり、目を閉じて見上げたりして、

自分が没頭できる形をつくって、とことん考え抜くのです。

 

そうすると、相手もその姿に影響を受けて、

自然と深い思考へと誘われていくことがあります。

自分にその意図がなくても、その姿を見ることでシンクロするんですね。

 

かつ、それを繰り返すなかで、

相手は自然とあなたを深い思考をする人だと認識し、

対話の場を作るとき、それを前提とした場になるようになります。

そうなればもう、あなたは気にする必要がないですよね。

 

おわりに:質問、いつでも待っています

枝を見つめるカズさん

どうでしょう、参考になったでしょうか。

他にも何か聞いてみたいことが有れば、いつでもご連絡ください。

 

みなさんからの質問、待っています~

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